1. はじめに
誰にとっても「初めての○○」は特別なものです。中でも「初めての海外旅行」は人生の転機になるほど大きな出来事といえるでしょう。文化も言語も異なる異国の地を訪れることは、日常では味わえない発見や驚きに満ちています。一方で、不安や緊張も大きく、「無事に行って帰ってこられるだろうか」「言葉が通じるのだろうか」と悩む人も少なくありません。
この記事では、筆者自身の初めての海外旅行を振り返りながら、準備段階から帰国までの流れ、そしてそこで得られた学びや感動について、具体的に紹介していきます。これから初めて海外に行こうとしている人にとって、少しでも参考になる情報をお届けできれば幸いです。
2. 旅のきっかけと行き先の決定
私が初めて海外旅行をすることになったのは、大学3年生の夏休み。長期休暇を利用して、友人と「どこか遠くに行ってみたい」という軽い気持ちから話が始まりました。最初は韓国や台湾といった近場のアジア諸国が候補に挙がりましたが、最終的に選んだのは「タイ・バンコク」。理由は「物価が安く、異文化感が強いから」というシンプルなものでした。
初めての海外がタイというのは、今思えばかなりチャレンジングな選択だったかもしれません。しかし、それだけに得られた経験は非常に濃密で、心に残るものとなりました。
3. 旅行前の準備
パスポートの取得
何はともあれ、海外に行くにはパスポートが必要です。市役所で戸籍謄本を取り寄せ、申請から1週間ほどで受け取りました。初めて手にした「日本国旅券」を見て、いよいよ海外に行くのだという実感が湧いてきました。
航空券と宿の手配
今はオンラインで格安航空券を探せる時代。SkyscannerやExpediaなどのサイトを使い、成田発バンコク行きのLCCを予約しました。宿は旅行者に人気の「カオサン通り」近くのゲストハウスを選びました。バックパッカーの聖地として有名な場所で、異国情緒あふれる雰囲気が魅力的でした。
ビザと予防接種
タイへの観光は30日以内ならビザ不要ですが、念のため外務省のサイトで最新情報を確認。また、蚊を媒介とする病気の予防として、虫よけスプレーや常備薬も用意しました。
現地情報の収集
観光地、交通、治安、食べ物など、事前にネットやガイドブックで徹底的に調べました。とくに現地でのマナーやトラブル事例は、初めての旅行者にとって重要な情報源です。
4. 出発の日
成田空港に到着した瞬間から、非日常の世界が始まりました。外国人旅行者が行き交い、多言語のアナウンスが流れる空港は、日本でありながら異国の空気を感じさせてくれます。
出国審査を終え、搭乗ゲートに向かう時の胸の高鳴りは、今でも鮮明に覚えています。飛行機が離陸し、雲の上に出た瞬間、「ああ、本当に日本を離れたんだ」と実感しました。
5. バンコク到着と第一印象
約7時間のフライトを経て、スワンナプーム国際空港に到着。飛行機を降りた瞬間、もわっとした熱気とエスニックな香りに包まれ、「ここは日本じゃない」と肌で感じました。
空港から市内まではエアポートリンクという電車を利用。切符の買い方がわからず苦戦しましたが、近くのスタッフが片言の英語で丁寧に教えてくれ、無事に目的地へ到着。親切な人々に救われながらの旅のスタートでした。
6. 異文化との出会い
タイの街は日本とはまるで異なる光景でした。車やバイクが無秩序に走り、屋台がずらりと並び、匂い、音、色すべてが刺激的。最初はカルチャーショックに近い戸惑いがありましたが、次第にこの「混沌とした魅力」に引き込まれていきました。
屋台グルメ
パッタイ(焼きそば)、トムヤムクン(酸辣スープ)、マンゴースティッキーライス(もち米とマンゴーのデザート)など、日本では味わえない本場の味が楽しめました。最初は衛生面が心配でしたが、地元の人で賑わう店を選ぶことで安心感が得られました。
観光地巡り
ワット・ポー(涅槃仏)、ワット・プラケオ(王宮)、チャオプラヤー川クルーズなど、名所をめぐりながらタイの歴史と文化に触れました。特に仏教文化の影響を強く受けた建築や儀式には感銘を受けました。
7. 予想外のトラブルと対処法
旅にトラブルはつきものです。私の場合、財布を置き忘れたり、タクシーでぼったくられそうになったりといった小さなトラブルがいくつかありました。
言葉の壁
英語はある程度通じますが、やはり細かいニュアンスまでは伝わらないことも。簡単なタイ語のフレーズ(ありがとう:コップンカー、こんにちは:サワディーカー)を覚えて使うだけで、現地の人々との距離が一気に縮まりました。
健康管理
水道水は飲まない、氷は避ける、暑さ対策を怠らないなど、基本的な衛生管理を守ることで、大きな体調不良には至りませんでした。常備薬や日本から持参した整腸剤も役に立ちました。
8. 帰国とその後の変化
一週間の旅を終えて日本に戻った時、最初に感じたのは「日本って静かで清潔で秩序正しいな」という安心感と、少しの物足りなさでした。旅をすることで、自分がいかに「日本的な価値観」の中に生きていたかを実感しました。
視野が広がった
異文化に触れることで、自分の常識がすべてではないことを学びました。価値観の違いを受け入れる姿勢が身につき、「違いを恐れず、まずは理解しよう」というマインドが育ちました。
次の旅への意欲
「もっと世界を見てみたい」「今度はヨーロッパや南米にも行ってみたい」と、旅への意欲が一層高まりました。実際にその後、韓国、イタリア、アメリカなどにも足を運び、初めての海外旅行がその扉を開いてくれたことに感謝しています。
9. まとめ ― 初めての海外旅行が教えてくれたこと
初めての海外旅行は、不安と緊張、驚きと感動の連続でした。しかしその経験を通じて、語学力以上に大切なのは「伝えたい気持ち」と「相手を理解したいという姿勢」であること、人間はどこに住んでいても根本的にはつながれるということを知りました。
これから海外旅行を計画している人へ。一歩踏み出すことで、世界は想像以上に広く、美しく、面白いと感じられるはずです。準備を怠らず、安全に配慮しながら、思い切って新しい世界に飛び込んでみてください。あなたにとっての「初めての海外旅行」が、人生の宝物になりますように。
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